国内の占い市場と占いの需要

こんにちは。コンサルタントの山羊沢です。

日本人は大変な占い好きです。毎朝テレビをつければその日の運勢が見れますし、新聞や広告にも似たようなコーナーがあり、雑誌においては特集が組まれるほどです。

これほど日常に占いが溢れているにもかかわらず、占い師を日常でみかけることはほとんどありません。ですから、占い師については非常に怪しいイメージをお持ちの人が大多数でしょう。しかし、怪しい占い師たちが跋扈する占いの市場自体は近年大きく成長している分野の一つです。
今回は占いのマーケットを取り巻く風景について、考察をしてみましょう。

意外と需要がある占い市場

三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる調査だと、占い業界の市場はおよそ1兆円程の規模だと言われています。
エステの市場規模が約3500億円ですから、意外と大きいのが分かると思います。アパレル小売市場の規模が約9.5兆円ですので、それと比べても大した数字です。
この市場の規模は年々大きくなって来ており、需要が急増している業界なのです。

昨今の経済状況やビジネスの多様化に伴い、とにかく日本人にはゆとりが少なく、またインターネットが重要なインフラとなった現代社会では「人と触れ合う」機会が大きく減少しました。
このような背景をもとに、近年需要を伸ばしている要因として、「心のケア(カウンセリング)」を占い師が得意としている事が挙げられます。「占いは心のエステ」のようなおしゃれな表現も聞かれるようになりました。
生身の人間と一定の匿名性を持って話す事ができる占いの業界は、メンタルケアの手段の一つとして、注目を集めています。

占い需要の背景

占いがメンタルケアの手段の一つとして注目されていることは前項でお話ししました。
日本ではカウンセリングやセラピーなどの心理医療についてまだまだ世間的な認知度が低いです。
海外のように、悩み事や不眠が続けばカウンセリングを受けたり、セラピストに治療を受けるなどの行為が一般的ではありません。精神的に問題を感じたらイコール投薬治療というのが皆さんのイメージなのではないでしょうか?
カウンセリングの市場規模は諸外国の1%程度、などといった統計もあるようです。

ですから、海外では専門家が行っている相談やセラピーなどの行為の代用として、日本では占いが機能しています。
加えて、日本人の国民性として古来から神事や自然などの神秘性を重んじてきたという性質も、占いに対して潜在的にハードルを下げている要因の一つでしょう。
困った時に神秘に助けを求めるのは、特に日本人に馴染む方法なのかも知れません。

占い師が行う業務は、カウンセリングやセラピーとイコールではありません。
しかし、どちらも相手の話を聞き、相談に乗ったり、解決策(治療方法)を見つけるといった部分は変わりません。
人と社会との関わり方が複雑に多様化した現代において、コミュニケーションにより心を癒やす仕事は、今後一層需要が高まっていくことでしょう。

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